3「落書き」
おじいちゃんの家の壁 あちこちに絵が描かれてる
お父さんが書いたの? そんなときがあったんだ
懐かしそうに見ていた お父さんの目は潤んでいた
使い古しのクレヨン 歪な形をしてる
これで絵を描いたの? だからこんななんだ
子供が親に囲まれて 健やかに育っていく姿
それはまるで僕のようで 涙がこぼれ落ちた
一つ一つに思いが詰まった この壁の落書き
これが消えちゃうと思い出も 消えていくのかな
雑巾で消されかけた 色が滲んだ絵
これは何の絵だったの? こっそり教えてよ
大きな飛行機が飛んで 自由に空を泳ぐ姿
それはまるで鳥のようで 夢で膨らんでいた
一つ一つに夢が膨らむ この壁の落書き
これを見ている僕にも 夢が膨らんでくる