101「煙突を越えたその向こう」

冬のあの日から 使われない煙突
誰が使うのだろう 僕は使わないけど
誰が通るのか 気になっているんだ


降り積もった雪も 溶けてほとんど消えてる
その溶けたあとに 屋根の色が現れる

今もどこかで 雪は降り続き
そこの大地は 銀に染まってく

煙突を越えたその向こう
どんな世界が 広がってくのだろう
煙突を越えたその向こう
白い雲が 目の前に広がる
その景色を 目に焼き付ける


溶けてしまった雪は 水となり地に戻ってく
それが海に帰り 雲となり戻ってくる

空に浮かぶ 小さな白い粒子
積もり積もって 山が富士に見えた

煙突を越えたその向こう
光に包まれ 広がっていってる
煙突を越えたその向こう
白い世界は 僕に微笑むよ
その瞬間(とき)を 脳に詰め込む



曇ったガラスの向こう 君の姿が見えた
震え上がる君を 冷めた目で見ていた
さらに曇りあがって 見えなくなってった



煙突を越えたその向こう
白い世界が 幕をあげている
煙突を越えたその向こう
きっと雪が 迎えてくれる
そのときに 僕は変われるんだ


冬のあの日から ホコリかぶる煙突
僕が使うのだろう いつかは知らないけど
ここを通れば 何所へ行くのだろう
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