104「停電」

突然の大雨 雷も鳴ってる
急いで走って びしょ濡れの人々
きっとどこかで 雨宿りするだろう


デカイ雷に 耳伏せたとき
うるさかったテレビが聞こえなくなった
ブレーカーが落ちたわけでもないから
停電だと理解した

冷蔵庫の中の食品が
徐々に自然解凍していった
いつ電気が復活するか
待ちながら今日を過ごした

停電になった街 この街の中に僕がいて
いつまで待っても 映らないテレビに悪戦苦闘
唯一聞こえるのは FMラジオからの情報だけ


鳴り止まぬ雷 どこに落ちてるのか
うるさい近所(そこ)の公園も静かで
逆に静か過ぎているから
違和感が襲った

固定電話が使えずに
連絡先が途絶えていた
いつ電話が使えるのか
心配しながら夜を迎えた

混乱してる街 その中の一人が僕で
復旧までの時間は もうしばらくかかるという
復旧を待ちながら ラジオの音に集中する



バケツを逆さにしたような 大量の大雨
喫茶店で休んでる 髪が濡れた人々
今もどこかで この雨を避けている
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