116「Pure man」

一人の女を 一途に愛した
そんな男の話
どっかで聞いたことあるけれど
また聞いてみようか


抱き合ったあの夜 公園の中で
犬の鳴き声の中に 僕らがいた
闇に溶けるように 息を殺して
そっと流れるように 口付けを交わした

細い首を滴る涙の粒
それを拭き取って 君が言う
「ここでお別れよ」
その言葉の意味を 今も探してる

あの日の一晩 君と交わったあの時
どこか遠くへ 行こうとしていた
それがどこかは 自分でもわからないけど
君だけ置いて 行こうとしていた
いつか一緒に行こう


向き合ったあの日 君の部屋で
温かいお茶の嵩に 僕が映る
部屋に溶け込むため 唾を飲んで
彼女のこと知りながら 部屋を見渡した

冷たく震える君の両手
それを暖める様に 手をつなぐ
「これでいいのかな?」
その言葉を君は どう捉えてる?

あの頃の僕ら ずっと隣り合っていた
どこか目指して 行こうとしていた
行き先は僕にも 君にもわからないけど
とにかくどこか 行こうとしていた
幸せになるために



あの一晩のキス あの一晩の記憶
今も残ってる ずっと残ってる
きっと君にも まだ残っているんだろう
また今度 手をつないで



一人の女を ずっと愛した
そんな男の話
純粋な恋愛 貫いて
今もどこかにいる
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