124「蝶々」

僕の肩に乗ってきた 一羽の蝶々
美しい紫色の 一羽の蝶々
次はどこへ行くんだろう


人差し指 伸ばした先に
真っ赤に燃える太陽
生きてる全てのものが
それに向かって歩く
それが当然(さだめ)

炎の海へ 飛び込んで
熱帯びて また出てきて
それの繰り返し
何の意味も ないけれど

僕の肩に乗ってきた 一羽の蝶々
鮮やかな黄色 それで空を飛ぶ
仲間のとこへ行くんだろう
この暑い中を 羽ばたいて


人混みに 紛れるうちに
目の前が霞んで行く
目隠しをされたように
前が見えなくなっていく
これが現実(リアル)

針の森へ 忍び込み
傷だらけの 体かばわず
それを延々と
己のことを 強く強く

君の肩に触れていた 一羽の蝶々
身体を痛めても 必死に世界を飛ぶ
世界を見に行くんだろう
弱った身体で 少しずつ



この星に生まれた僕ら
君もまた 僕らより先に 生まれていた
その小さな身体で 僕らよりずっと
前から生きてんだな



僕の肩に乗っていた 一羽の蝶々
身体を休めても また空へ飛んでく
どこへ向かっていくんだろう
君の行き先へ お供できたら

僕の肩を離れてく 一羽の蝶々
仲間を探している 一羽の蝶々
また戻ってくるのかな
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