143「花」

日も射さぬ部屋 食べかけの朝食
この部屋に撒かれた 涙の跡
手のひらにも一つ 消えずに残ってる

声に出せぬ思いを 風が包んで運んでく
どこまで運ぶか 風が決めること
その行き先が いいとこならいいな

君に届いた 風の便り
きれいな花も包んで
この胸の中の 心の奥に
花束を挿そう


脱ぎ散ったシャツ 残飯の腐敗臭
タンスの裏に貼られた 家族の写真
変なポーズをして 楽しげに笑ってる

喉につっかえる心 吐き出せずに泣きそうで
手を握り締め ずっと堪えている
その感情は どこで削られるだろう

僕の懐の 畳まれた紙
短い二文字の言葉で
この胸の中の 心の奥に
思いを詰めて



季節に咲く花の その生き方を真似て
僕も生きていけるかを 試してみる



土に埋まった 謎のカケラ
崩れぬように優しく
この胸の中の 心の奥に
風は吹いてる
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