16「冷たい水」

まるで冷たい水を浴びるように 君の視線が僕を濡らしてくる
凍えそうなくらいの視線は 僕の胸に突き刺さって
ぬるい水すらもなくなって 情けなく泣いてる僕がいる

気づけば彼女ともすれ違い そんなのがずっと続いてた
手をつながなくなってきて キスもしなくなっていた
話すこともなくなって メールなんてもっての外だった

それでも僕は君を 抱きしめたいと思ってた
昔の優しい水を 僕に飲ませておくれよ

無言で訴えてくる君 俯いて無言の僕
冷たい水を浴びても 滴る汗は治まらない
常に息苦しくて この場から抜け出したくて
右手をきつく握り締めたまま
君の視線を浴び続けてる


どれだけ熱い水を出しても 君の気持ちが冷たくしてくる
後ずさるくらいの視線が 僕を包み込んできてる
悲しみの水に溺れて 胸を痛める僕がいる

いつか約束した君との夢 どこかに置いてってた
デートすることもなくなり お揃いなんてどうでもいい
会うこともなくなって 電話でしか話せなかった

それでも僕は君を 手放さないと誓ってた
あの頃の甘いキス 思い出させておくれよ

涙で訴えてくる君 もらい泣きしてる僕
いくら涙流しても この胸は苦しんでる
ずっと泣いてて 君に思いをぶつけたくなって
止まぬ涙を拭い続けて
君の涙の重みを知る


ずっと気持ちを伝えても 君の思いは冷めたままで
受け止められぬほどの水が 僕の体を押さえ込む
冷たさの意味を知って この思いが破裂しかけてる

前話した互いの将来 心の隅に置いてる
付き合ってる意識もなくて 忘れかけるときもある
声すら聞かなくなって 僕らは冷めてきていた

嫌がられても僕は 君を守ると約束した
あの時の約束 思い出しておくれよ

言葉では訴えない君 言葉で伝えてる僕
冷たい水の感触が 体中に残ってる
いつも冷たくて 君の涙で濁ってて
冷たい水をかぶり続けて
君の悲しい気持ちを感じる



気づけば僕の周りだけ 濁った水が溜まっている
この水が増す分だけ 君の悲しみも深くなる
僕の気持ちも聞いてくれない
思っている以上に深い悲しみ



冷たい視線が突き刺さり それを受け入れる僕
大粒の涙が溢れて 頬を伝って落ちてる
冷たい水があっても 染み渡っていってる
涙の筋が熱くなって
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