179「居間」

古びた机にほっぽり出された 年季のある万年筆
何か書いてたんだろう それが分かるのはいつか

今は動いてても きっといつか無理になる
そうなる前にも 書いとく必要があるかな
時が来るまでに この自らの手で・・・

僕が生まれて 子どもが出来て
親が逝って 僕も老いてく
その繰り返しが 生き物ってやつかな
誰だってそうだよ 苦しむのは嫌だよ


使い古してもうペッタンコ 渋い柄の座布団
皆使ってたんだろう それは見てて分かった

今は出来てても 老いていけば思い出(ゆめ)になる
未練にならぬように やり切ってしまおうか
時が来るまでに 命燃えるまでに・・・

君が生まれて 良い子に育って
僕ら老いて 君は家庭持つ
その連鎖が 生きてるってことだろう
その中で人は 色々学ぶんだよ



誰かが逝けば 誰かが悲しむ
それが誰かは 分からないけれど
毎日繰り返している



人は生まれて 誰かを愛して
誰と出会い 恋をしていく
それは自然も同じ 生きてる証だから
人の自然って こういうのを言うのかな
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