203「メリケンサック」

喧嘩に負けた帰り道 体中にアザができて
人の視線を浴びた
景色に映えた夕焼け 体の疲れを癒して
今日という日を終えた

どうせ俺は背中で語れない 柔な男で
いつも置いて逃げて守れない ダメな男で
ほんとにごめんよ

ポケットに潜めてた メリケンサック
首に引っさげてた そのネックレスへ
そして俺は 殴りこむ


ボロボロになって倒れて 体に痺れ伝わり
自分の体見下ろす
人で埋まるアスファルト 外の空気を濁して
雨の匂いを消した

所詮俺は拳を構えない 小さな男で
縮んで動かず泣いて黙る 弱い男で
男じゃないよな

胸元に入れてた メリケンサック
お前がぶら下げてる その飾り物へ
一気に俺は 叩きこむ



きっといつだって 殴りたいときはあるんだ
我慢して釘刺して 晴らすときもあるんだ



左手につけてた メリケンサック
利き腕じゃないけど その馬鹿面へ
ジャストミートで 殴りこむ
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