259「speed」

改札の向こう側　ちょうど列車もやってきて
乗り込んだら　急に咳が出た
空気が変わったから　それでなのかな
吐き気催し　涙が出てきた

チャリを大急ぎで漕いで　ゼェゼェ言ってる君
寒い日にもかかわらず　汗をポツポツ垂らして
喋ることが出来ぬ君に　僕はそっと
ハンカチを渡した

電車から見えてくる　向島の景色
今日は霧がかって　てっぺんは見えないね
いつもは　綺麗な景色を
一緒に見れるのに


休憩を挟んでも　あんまり進んでない
過ぎ去っても　追いかけちゃいない
鐘の音が止まったら　また進もう
それまで寝ても　多少大丈夫

池の白鳥が餌を　せっせと捕っている
冷たい水の中へも　すぐに狙い定めて
それを見ている僕らには　少しだけど
見せつけてるようだ

アイマスクを外すと　目の前の海面
いつもゴミがあって　キレイには見えないが
今日だけ　少し違うよな
そんな気がしている



君と見てた景色　今も残る景色
将来どうなっていくのか
楽しみだなぁ　どうなるかなぁ
数年後のお楽しみ