27「飛べない紙飛行機」

僕が幼い時に作った くたびれた紙飛行機
いくら前に投げても 飛ばない紙飛行機
曇りがかった空に 思いっきり飛ばしてみる

色とりどりの色紙(いろがみ)に 魂を吹き込む
この紙はどんな形になる 楽しみが膨らむ

あの大空に似合う形 それは飛行機なのかな
そこまで大きくはないけど 大空に飛ばしたい
それは小さな夢であり 僕の大きな夢でもある

機械の飛行機みたいに しっかりした翼はないけど
紙飛行機でも飛べること 僕は前から知ってる
この風に身を委ねて 大空を自由に飛ぶ
それが紙飛行機の 最大の夢だろうな

僕はそれを 叶えられるかな


雨が降る日に作った しけった紙飛行機
手に持っただけでも すぐ破れそうになっていた
輝くテーブルに 思いっきり滑らせてみる

袋から溢れた色紙が 床に散らばる
拾うと折り目がついて 少しガッカリする

この大雨にも関わらず これは飛んでくれるのかな
ずぶ濡れになってしまっても 翼がもげかけているけど 
それでも飛ぼうとしている 紙飛行機の大きな頑張り

巨大な飛行機みたいに 翼にエンジンはないけど
風だけでも飛んで行けること みんなはずっと知ってる
でも単に君が風に任せて 飛ぼうとしていないだけ
これが紙飛行機の 最大の弱点だろうな

僕はそれを 克服させれるかな



風に包まれて 大空を泳いだ
ゆったりと確実に 大空を泳いでる
行き先は分からない 進むだけでいいんだ
柔らかくも力強い この翼を信じて

今よりもっと前に ゆっくりと進もう



大きな飛行機みたいに 操縦士はいないけど
自力で飛んで行けること 「僕」自身が知ってる
「僕」は行き先を決めれない この身を風に任せるだけ
これが「僕」自身の 一番の魅力だろうな

「僕」はこれで 飛び回れるかな
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