279「蕾ちゃん」

巨大ビルから反射した 綺麗になった光が
僕の心の中へと 染み渡っていく
太陽からの光は その全てを起こして
誰の心の中にも 沁み込んでいく

手の中に落ちる 咲きかけた蕾ちゃん
もうそろそろ季節だろ?
なのにここでいいのかい?
咲かせるのはままならぬ 君は僕の手の中


歩道橋から落とされた 艷色のハンカチーフ
僕のカバンの上へと 静かに乗っかる
流れてゆく車には 落ち葉のように見えて
誰の通る歩道上 風に吹かれて

水に浮かんでる 咲きかけの蕾ちゃん
こんなイイ色になって
だけどドンドン沈んで
静かに眠るように 君は底へ落ちてく



静かに咲いた 綺麗な艷色
僕が守れなかった分が 今目の前に
ごめんよ・・・



心に落ち行く 咲きかけた蕾ちゃん
もうそろそろ季節だろ?
なのにここでいいのかい?
いつか咲かせてあげよう 僕の心の中で
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