299「土」

地中深くに埋まった 僕の本体
頭に血が登って 今も危ない

このまま土に還って 魂はここのまま
それでもいいと 思えてきた
いつから土は熟れて 全てを吸い尽くした
それでも今も まだ埋まってた

独り残された本体(ぼく)が 必死に僕を呼んでいる
成仏しようとか ほざいてる
このまま彷徨やいいよ 写真にも映り込んで
人を驚かそうと 企んだ


土の中へ沈んだ 僕の本体
手の感覚消えて どこも向けない

ひたすら助け呼ぶも 気配感じないから
このまま死ぬと 考えてる
これから抜け出そうと 全力出そうとした
足だけ動き また深くへ

直ぐ目の前には土が 徐々に僕を吸い込む
素直に死のうとか 口にした
埋まる衝撃で砂利が 口内へ投げ出されて
噛む度に痛みが 伝うんだ



穴があれば入りたいとは まさにこのことで
もう入っちゃいるけど ここじゃない穴で
恥ずかしがらずに 昇っていきたい



直ぐ目の前には土が 徐々に僕を吸い込む
素直に死のうとか 口にした
埋まる衝撃で砂利が 口内へ投げ出されて
噛む度に痛みが 伝うんだ
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