42「小さな花びら」

一枚 一枚 また一枚
赤く染まった花びらが ゆっくりと土へ落ちてゆく
まるで一生を終えるように
静かに落ちてゆく

萎れた花びらを 1つ摘んでみる
もう死んでいるけど 必死に生きていたんだろう
きっとそうなんだろう
咲いてるときは とても美しいのだから

優しい香りを放つ花
僕ら人間と同じように 子どもを残して引き継がれる
咲き具合は違うだろうが 優しい香りに違いはないんだ
今も その優しい香りで
僕らを癒し続けているんだ


一輪 一輪 また一輪
役目を果たした花たちは 静かに土へ戻ってく
まるで永遠(とわ)に眠るように
ゆっくりと萎んでく

枯れきった花を 1本手に取る
折れかけているけど キレイな花だったろう
たぶんそうだったろう
咲く花は皆 いつもキレイなんだから

キレイな色を保つ花
色彩で描かれたみたいに 鮮やかな色が散りばめられてる
色づき具合が違っていても キレイなことには変わりないんだ
今も その美しい色で
人を魅了し続けているんだ



土に残る小さな花びら これらが一輪の花になっていた
花だった頃の美しさはないけど 美しく咲いていたのには違いない
今も花だった面影は 少なからず残っているから



美しく咲き誇る花
まるで1つの絵画みたいに 美しく咲き誇っている花たち
全てが同じ美しさじゃなく それぞれが違う輝きを持ってる
今も その輝きで
人を虜にしているんだ
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