556 「妄想自殺者」
青木ヶ原樹海で　己を殺す
そんな夢を見た　夏の日の深夜
体すべてが消えて　目すらも消える
その夢で最後　夢を見なくなった

後ろの道は崩れて　前に道が出る
その道も脆くて　もう崩れそう

自分で描いた妄想　その妄想の中でもそう
孤独をかみしめて　全てを真に受けて
だからなんだろう　息をしたくなくなる
見捨てて欲しくなる


誰に聞いた思い出？　聞いたのはいつ？
問い詰めてみたって　また無音の時

細い毛糸をつかんで　地の上に戻る
その途中で千切れ　振り出しになる

誰かがヒビ入れた理想　振動だけで散らばりそう
涙を押し止めて　感情を殺して
仕方ないだろう　息をも殺している
放ってて欲しくなる



誰かの願いが叶うころ　誰かの願いは廃れて
その原因が誰かなんて　誰にもわからない



自分で描いた妄想　その妄想の中でもそう
孤独をかみしめて　全てを真に受けて
だからなんだろう　息をしたくなくなる
見捨てて欲しくなる