589 「後ろ側」
棚の上から誰か 顔をのぞかせ
それが不気味で 眠れないんだ
ひどい吐き気の夜に
僕は涙した
なんとかそれを抑えて
ノンレムに入る
後方からの視線 それに怯えて
布団をかぶって 夜を明かした
物音に震える夜に
誰かを浮かべた
顔すら知らない人を
夢に連れてくる
指がもう 使えない
どうすればいいの
どうしようもないよ
物音に震える夜に
誰かを浮かべた
顔すら知らない人を
夢に連れてくる