86「嘘」

人の中の黒い部分
僕にもある　君にもある
どれだけ白で覆えるか
それだけが問題

白い眼差し見せつけ　黒い瞳見開いて
嘘と真実の挟間で　僕を待ちわびてる

頭を白くして　黒から遠ざけていた
嘘は消せないぞって　記憶が
僕に襲い掛かってる


黒で埋められた部分
僕にもある　みんなにある
どれだけ多くあるのか
それだけが問題

他人のフェイクを信じて　自分の中を塗り替えて
嘘と真実を握って　扉を開けてる

全てを白くして　黒が来れないようにした
嘘を真実(いま)に出来ないってことを
僕は受け入れずにいる



白にも黒にも近い　グレー
泥水と清水の混ざり合い
生まれるのは　濁ったものだけ



心を白くして　黒は排除できたんだ
白が黒に変わっても　僕は
黒を閉じ込め続ける